コラム
2026/01/09

独占禁止法・取適法対応

1.建設業における独占禁止法・取適法の基本とリスク

 2026年1月施行の「中小受託取引適正化法(取適法)」は、従来の下請法を改称・改正したもので、委託事業者が中小受託事業者との取引で不当な行為を行うことを禁止し、公正な取引環境を確保することを目的としています。
 建設業では、建設工事のみならず、資材運送、修理、設計など多様な委託が存在するため、対象範囲を正確に把握することが重要です。取適法は、建設工事そのものには適用されませんが、資材の製造や運送等については適用されます。建設工事の再委託は建設業法で規律されます。
 また、独占禁止法は「優越的地位の濫用」を禁じており、元請‐下請関係での不当な要求は法的リスクを伴います。

2.不当な支払サイト設定・一方的な代金決定などの事例

 代表的な違反類型は以下のとおりです。

 •納品後、60日を超える支払サイト設定
 •手形払いや電子記録債権による支払
 •一方的な代金減額・買いたたき
 •価格転嫁交渉の不当拒否(協議に応じない代金決定)
 •不当な追加作業負担・過大なリスク押し付け

 これらは取適法違反となるだけでなく、優越的地位の濫用として独禁法上も問題となり得ます。

3.法的リスクと行政指導・処分の可能性

 違反が認められた場合、

 •公正取引委員会・所管省庁による指導・勧告・公表
 •信用失墜に伴う取引機会の喪失
 •損害賠償請求の可能性

 など企業経営に大きな影響を及ぼします。重大な場合には、独禁法に基づき排除措置命令等の行政処分が科されることもあります。

4.弁護士によるリスク回避・対応策

 改正対応として、以下が特に重要です。

 •契約書・発注書の明文化(支払条件・代金等)
 •手形等の禁止に伴う支払制度の見直し
 •従業員数基準を含む適用範囲の再確認
 •交渉の経緯を証拠化(メール・議事録等)
 •相談窓口の設置など内部コンプライアンス整備
 疑義発生時は速やかな弁護士相談が、違反回避に直結します。

5.実務での独占禁止法・取適法(旧下請法)問題解決事例

 •支払遅延が常態化していた元請企業が弁護士関与により支払サイトを適正化し、行政指導を回避
 •一方的な減額要求に対し受託者側が弁護士と連携し、公取委申告を行い改善措置を獲得
 •追加作業強要トラブルで証拠を整理し、有利な和解が成立
 予防と初動対応が、企業価値を守る鍵となります。

6.建設業の独占禁止法・取適法対応を弁護士に依頼するメリット

 •改正内容を踏まえた法的リスク診断
 •契約書レビュー
 •行政対応・紛争解決の全面支援
 •コンプライアンス体制構築による企業の信頼確保

 実務経験に基づく「現場に合った対応」が可能です。

7.建設業の独占禁止法・取適法対応は法律事務所瀬合パートナーズにご相談ください

 建設業の委託取引は複雑化し、改正法対応の重要性は高まっています。
当事務所は、契約段階からトラブル対応まで一貫した支援をご提供しています。
 不当な取引条件にお困りの方、改正対応に不安がある方は、お気軽にご相談ください。

© 弁護士法人法律事務所瀬合パートナーズ